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平和教育アニメーション制作の、ビープロダクションです。
代表、高部優子は、鬼退治をしたくない桃太郎、ペンギンとアザラシの登場のジョニー&パーシーなど、平和、紛争解決、ホーポノポノ、トランセンド、私メッセージなどに関する人形アニメーションを監修・制作しています。
私たちのまわりにあるケンカやもめごと。
その解決方法やコミュニケーションの方法をわかりやすく伝えるアニメーションとその解説書です。
ホーポノポノとは?
聞き慣れないことばですね。それもそのはず、太平洋のど真ん中、ハワイ諸島などポリネシア地域の先住民のことばなのです。日本語では「曲がったものをまっすぐに直す」となります。でも、それだけではありません、島の人々の間で何かもめごとが起きたときに、仲直りをするための話し合いのやり方を意味します。
たとえば、村内で、Aさんが、ある日、Bさんの田んぼに土砂を投げ込んでめちゃめちゃにしました。聞くと、Aさんは「うちの田んぼに小川から水を引くためのミゾを、Bさんが勝手に改造して自分の水田につないだ。主食のタロイモを育てる大事な水田に水が来ないからだ」と怒っています。
ほっとくと大げんかになる、と心配した村人たちは、村の長老と相談、ホーポノポノの集いを開くのです。けんかしている2人はもちろん、家族や近所の人たちも集まって、輪になって座ります。
長老はまず、2人から「何があったのか」これまでのできごとを説明するよう求めます。Aさんが乱暴なことをしたのは、BさんがAさんの水を横取りしたためですが、長老はBさんに「なぜ、そんなことを?」とただします。Bさんが「半年前にAさんの持ち山がくずれて、おれの田んぼ用のミゾが埋まってしまった。文句を言ったけど修理してくれず、田んぼが枯れたから」と答える。わきからCさんが手を上げ「わしの田んぼも、Aさんの山の土砂で困っている」と、新しい問題を投げかけます。
こうやって、長老は「玉ねぎの皮を1枚1枚むくように」ていねいに問題を洗い出します。その中でAさんは、自分がもめごとの原因を作ってしまったことを認め、Bさん、Cさんに「ごめんなさい」と頭を下げ、ゆるしを乞います。Bさんも水の横取りについてAさんにあやまります。3人は仲直りします。
そこで長老は「自然が引き起こした災害なのに、なぜ人間同士で田んぼをつぶし合うの?」と、問いかけます。事件の本質ですね。話し合いは「2度とこんなことをくり返さないよう、どうするか」に移ります。土砂くずれを「村が受けた被害」と考えて、みんなの手で修理すること、土砂くずれを直してもらった人はみんなの協力にお礼の気持ちをきちんと表わすこと、だれかが水枯れに困った時も、みんなで話し合って村としての対策に取り組むこと、などを決めます。
合意ができたら長老は、その内容を全員で確認した後、「これまでのできごとは、すべてなかったことにする」と宣言して、集会を終えるのです。
現代社会はとても複雑で、いろいろな立場の人たちが関わったもめごとが次々に起きます。小さな島のコミュニティ内のもめごとと一緒にできない、という声もありそうですね。確かに、だれもが「時は金なり」と忙しそうにしています。関係者や周辺の人たちが集まって、じっくりと時間をかけて話し合う空気はないかもしれません。結論を早く出そうとして、目に見える暴力にばかり注目し、もめごとの出発点が何であったか、深く掘り下げることを止めてしまうかも。これではほんとの原因に迫れず、隠れた当事者を見つけ出すことも難しいでしょう。そんなことを繰り返していては、社会のきしみは日を追って大きくなるはずです。
そんな危険な時代だからこそ、みんなが仲良く暮らせるように、時間をかけて話し合う「ホーポノポノ」の姿勢を取りもどすことが大事なのです。
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